古い家のご先祖様

怖い話・衝撃体験寄稿,短編


子供から聞いた怖い話をお話しします。

私の家の隣に、私の母や父が住んでいた古い空き家があります。

その家は江戸時代の中期に建てられた古い農家で、ただ広くて寒い家です。

私も子供のころに住んでいて、母も父もこの家で亡くなっています。

何代も前のご先祖様もこの家で無くなっているので、多くの位牌が残っています。

私の子供は私が建てた新しい家で生まれ育っているのですが、あるときこの空き家で勉強すると言い出して、3日ほど一人で空き家にこもっていました。

ある夜勉強していると、遠くから「ぼく何してるの?」と声が聞こえたそうです。

子供は思わず「算数の勉強だよ。難しいんだ」と答えました。

「そう!」という言葉が返ってきたのですが、顔を上げて回りを見るとだれもいなかったようです。

確かに、もう何年もその家は使われていません。

しかも、その日は私の母の命日でした。

子供はそれから空き家に近づかなくなってしまったのですが、私の母は孫の顔が見られなくて寂しい思いをしているかもしれません。