金縛りのときに聞こえた猫の鳴き声

怖い話・衝撃体験寄稿,短編


体質なのでしょうか、私は昔からよく金縛りにあう子供でした。

そのまま成長して大学で一人暮らしを始めたとき、金縛りが酷くなりしっかり眠れない日々が続きました。

一人暮らしをしていた建物は、築40年のアパートをリノベーションしたもので、近くには神社がある少し不気味な場所でした。

それでも、広い部屋と暮らしやすい場所だったので引越しを考えたことはありませんでした。

そんなある日、酷い金縛りに遭いました。

またか、と思いながら金縛りが解けるのを待っていると、廊下を何かが走る音が聞こえてきました。

幻聴かな、と思ったのですが、足音は何度か廊下を往復した後、私の枕元に近付いてきます。

直後、猫の鳴き声と一緒に頬に痛みが走りました。

まるで何かに引っ掻かれたかのような痛みです。

跡は残っていませんでしたが、痛みは起きた後も続きました。

あれは本物の猫だったのでしょうか。それとも、他の何かだったのでしょうか。