祖父の葬式で起こった怖い話

怖い話・衝撃体験寄稿,短編


私の祖父は少し個性的な人で、自分の葬式は自分の家でやりたいと考えていました。

新しく家を建てる際は、自分の葬式を想定した間取りで施工会社に依頼したほどです。

葬式を行うと決めた仏間は、昼間でも灯りが少なく少し不気味な場所でした。

十年後、祖父が亡くなった際、生前の言葉通り自宅の仏間で葬式が行われました。

自宅での葬式が終わり、夜も更けた頃。

仏間の隣にある風呂場で歯を磨いていたときです。

鏡に一瞬黒い影が映りました。

一瞬のことだったのではっきりとした姿は分かりませんでしたが、同時に凄まじい寒気に襲われました。

あの黒い影は一体何だったのでしょう。

優しかった祖父ではないと確信を持っていますが、では何だったのだろうかと聞かれると、今でもその正体は分かりません。