雨の日の自転車

怖い話・衝撃体験寄稿,短編


私が実際に体験した怖い話は幽霊やお化けではなく、だれにでも起こりえる話です。

高校まで自転車通学をしていたのですが、ある日の帰りは雨となっていました。

カッパも傘も持ち合わせておらず、迎えも頼めなかったので、濡れながら自転車で家まで帰ることとしました。

ずぶぬれなので、早く家に帰りたくて必死で自転車をこぎ、マックススピードで坂を駆け上がり、下り始めた時のことです。

横の脇道から大型トラックが出てきました。

必死でブレーキを掛けたのですが、雨で全く効きません。

当然トラックも止まらないので、一瞬自分の人生もこれで終わったと思いました。

しかし、若いころの運動神経の良さで、モトクロス並みに自転車を傾けて運転し、トラックのタイヤとタイヤの間を体ごとすり抜け、ちょっと膝が擦りむいただけで、無傷でした。

まるで映画のアクションスター並みのとっさの行動でした。

自分もびっくりしましたが、トラックの運転手もびっくりしたことでしょうね。

それから、二度と雨の日に自転車やバイクは運転していません。