自宅サーバーの始め方

2019年9月7日IT関連,自宅サーバーCentOS,Linux,Ubuntu,Windows,サーバー構築,プロバイダ,自宅サーバー

これから自宅サーバーを始めたい人向けにサーバーの選び方から公開するまでを解説します。

自宅サーバーといってもいろいろありますが、

ここでは主にWebサーバーについて詳しく書いていきます。

自宅サーバーとは何か

そもそも自宅サーバーとは何か。

ブラウザにURLを入力して、ホームページを開くときホームページのデータをブラウザに返すものをWebサーバーと呼びます。

Webサーバー以外にもファイルをパソコン間で共有したりできるファイルサーバーなどもあり、サーバーにはいろいろな種類があります。

そしてこのサーバーは言わばパソコンです。

例えばパソコンの中にWebサーバーの役割を持つソフトをインストールすることでWebサーバーとして使用しているのです。Webサーバー機能を持つソフトをWebサーバーと呼ぶこともあります。

それらのサーバーは通常はサーバーを管理している業者が大規模な施設でサーバー用のパソコンを抱えているのですが、このサーバー環境を自宅に構築しようというものが自宅サーバーです。

自宅サーバーを設置すると言っても、業者のようなサーバー用の大きなパソコンを使用するのではなく、ノートパソコンやデスクトップパソコンで代用することができます。

当サイトもデスクトップパソコンを自宅サーバーにしたものを使用しています。

最近の流れ

自宅サーバーは一時期は流行っていましたが最近はエックスサーバーなどのクラウドサービスが一般的になっています。パソコンの用意もいらないし価格も安いですからね。バックアップや急な故障の対応なども任せられることを考えると、月数百円から使用できるのでコスパはいいです。

自宅サーバーのメリットとデメリット

自作サーバーのメリットは何と言ってもすべて自由だということです。

サーバーのスペック、インストールするOS、ソフトウェアの種類、保存容量、回線の種類、カスタマイズ等々これらすべてが自分好みにできることですね。レンタルサーバーで同じことをやろうとすると数万円では足りません。

デメリットと言えば、セキュリティ・バックアップ体制・故障リスクでしょうか。

企業に任せていれば24時間万全のセキュリティで守ってくれます。DDos攻撃などの防ぐことが難しいものでも対応してくれますが個人だと厳しいです。

例えばバックアップは自宅サーバーで行ことになりますが、自宅が何かしらの災害に見舞われたときデータを失う可能性があります。もちろん外部にバックアップすることもできますが、データ容量が大きくなるとすべてのバックアップをするとなると手間が増えます。そうなると外部にバックアップするのであればサーバーごと借りた方がいいです。

故障リスクについても同じく、いつ壊れても問題ないようにバックアップしておかなければなりませんし故障したときは自分でメンテナンスしなければなりません。

自分ではお手上げの状態でも全て自分で解決しなければならないのが自宅サーバーのデメリットです。

こう考えると小規模であれば数百円で借りれるレンタルサーバーの方がコスパ良いです。

自宅サーバー構築に必要なもの

ざっくりと以下のものが必要です。

  1. サーバーにするパソコン
  2. サーバーにインストールするOS
  3. インターネット回線

サーバーにするパソコン

先ずは自宅サーバーを構築するマシンを選んでいきましょう。

サーバーは基本的に常時稼働しています。24時間電源がつけっぱなしになるわけです。

そうなると気になってくるのが以下の点です。

  1. 電気代
  2. 発熱
  3. ファンの回転音

自宅パソコンを立てる上で注意すること

一般的なデスクトップやノートPCはサーバー運用での使用を想定していません。

その為、サーバー向けPCよりも早く故障したり、埃がたまりやすかったりします。

特にファン内やコンセントの埃には注意が必要で、管理を怠ると火災の原因になりますので定期的な点検をしましょう。

参考:ノートPCをサーバーにして大惨事になった話

管理人の自宅サーバーの内1台がノートPCですが、「ハ」の字に立てて熱を逃がしやすくすることや、埃の確認を定期的に行っており、8年間サーバーとして使用できています。

電気代

一般的なデスクトップパソコンの消費電力はモニターも併せて100W程度です。

1ヵ月使い続けたとすると1kWh当たり27円の場合、約1944円掛かります。

ノートパソコンは40W程度で約777円です。

発熱

消費電力の高いデスクトップパソコンの方が高い傾向にあります。

ファンの回転音

ファンが大きく複数あるデスクトップの方が音は大きいです。

これらのことから、ノートパソコンを使用することをお勧めします。

今は使っていない古いものがいいです。

サーバーにインストールするOS

自宅サーバーにインストールするOSを選んでいきます。OSとはWindowsやMac OSの様なパソコンの動作に必要な基本ソフトウェアのことです。

一番良いのはサーバーとして多く使用されているものを選ぶことです。

何故なら多く使われている分、情報も豊富だからです。

以下のサイトを見てみると、Windowsがダントツで多いことがわかります。

  • Windows 54.0%
  • Linux 24.8%

参考:国内サーバーOS市場、2017年は前年比成長率4.3%、Linuxが2年連続で二桁成長を達成――IDC発表:EnterpriseZine(エンタープライズジン)

Windowsのサーバー用OSにWindows Serverというものがあります。

サーバー用のWindowsはOSが数十万するので自宅サーバーのOSとしてはお高いですので除外するとして、通常使用するWindows 7、8、8.1、10が現実的かと思います。

ただし、一般向けのWindows 7、8、8.1、10などのOSでサーバーを公開することは特定条件を除いてできないため、外部への公開を考えている場合はLinux系を使用するのが無難です。

参考:一般向けWindowsはサーバー機能を提供してはダメ?ファイル共有はNG?

基本的にLinux系は無料のものが多いです。

パソコン1台でサーバーの開発をするだけならWindows 7、8、8.1、10でも良いですが。

Linux系でのシェア(海外)は以下の通りです。

1番多いのがUbuntu、次にDebian、CentOS、Red Hat辺りでしょうか。

OSシェア率
Ubuntu37.4 %
Debian30.4 %
CentOS19.2 %
Red Hat2.7 %
Gentoo2.6 %
Fedora0.7 %
SuSE0.5 %

参考:Historical trends in the usage of Linux subcategories, April 2019

僕が今までLinux系でサーバー用OSとして使用したことがあるのはUbuntu、CentOSです。

現在はCentOSを使用しています。これは業務で使用している環境に近いからです。

経験から言うとUbuntuの方がサーバーとして使用するのにいいかなと思います。というのも、一般的に多く使用されていて、手順を説明するサイトが多いからです。

それに海外でシェアが高ければ、そのノウハウが日本に流れてきやすいのと、インストールできるソフトウェアが充実していること、普通のパソコンとして使用するにしても差し支えない便利なソフト(Webブラウザや動画プレイヤー、オフィスソフトや画像編集ソフトなど)が揃っているからです。

Ubuntu、CentOSどちらも無料で使用することができます。

まとめると、

サーバーを立てて開発・テスト環境が作りたい(他のパソコンからは繋がない)場合は、Windows 7、8、8.1、10かLinux系を使用し、

外部に公開したい場合はLinux系を使用することをお勧めします。

インターネット回線

自宅内での公開であればどのプロバイダでも構いませんが、外部に公開する場合はグルーバルIPアドレスが取得できるプロバイダを契約する必要があります。

WiMaxや集合住宅など、一部の環境ではプライベートIPアドレスしか使用できない場合がありますので、
一度契約内容を確認してみましょう。

基本的にはグルーバルIPアドレスが使用できる場合が多いです。

またグローバルIPアドレスには固定アドレスと動的アドレスがあり、外部への公開の場合は固定アドレスが取得できることが望ましいです。動的アドレスでも立てられないことはないですが、URLとIPアドレスの対応付け(DNS設定)をアドレスが変更される度に行わなければならないという面倒があります。

グローバルIPアドレスとは
インターネット上でパソコンの接続先(現実で言う住所)を表す一意のアドレスのことです。
インターネットに接続するときに必要なもので、このアドレスは世界で同じものはありません。

IPアドレスはサーバーへ送信されるあなたの情報 | 音水の雑記ブログで確認できます。

サーバー構築手順

サーバーに使用するパソコン、OS、回線が決まったらいよいよサーバー構築の開始です。

ここからはOS別に手順が異なります。

Windowsの場合(準備中)

Ubuntuの場合(準備中)