【eneloop】単三乾電池で100V家電は動くのか検証してみた【充電池】

2019年2月16日PC,ガジェット,スマホ,電子工作,電池

乾電池も量があれば家電が動かせるんじゃないかと思って、実際に検証してみました。

100V家電を動かすには

一般のコンセントに流れている電気は100Vの交流です。で、eneloopは1.2Vの直流。

なのでこのまま使用することはできません。直流を交流にし、電圧を100Vに昇圧しなければなりません。

どう動かすのかというと、

乾電池用の電池ボックスを使ってeneloop 1.2V x 10本を直列し、12V 1900mahのバッテリーパックを作り、これを5つ作った上で並列繋ぎにして12V 9500mahのバッテリーとして使用します。これで最大114Wの電力が得られます。

それをシガーソケットに変換し、車載用インバーター(12V直流→100V交流に変換する装置)を使用して、家電に接続する、という方法で試してみようと思います。

試したいこと

  • 5V LEDライト
  • スマホ充電
  • ノートパソコン起動(ノートパソコンのバッテリーを抜いた状態)

準備するもの

eneloop(単三、1.2v 1900mah) x 50本
単三乾電池 10本用 バッテリー ケース DC15V/12V出力 x 4 + 元々持っていたもの x 1
デジタルマルチメーター
インバーター用カーバッテリー接続シガーソケットケーブル
DC/ACインバーター 12V DC12V専用
電子基板用はんだ付けセット 40W
電子工作用はんだ
12V DC電源 ピグテール メス 5.5x2.1mm ケーブル
Anker PowerDrive+ 3 (12V→USB)
USB電流電圧テスター チェッカー
USB LEDランプ

検証開始

道具が揃ったところで早速始めていきます。

まずバッテリーパックに接続する12Vケーブルを並列繋ぎに出来る様に各ケーブルのプラスとマイナスをはんだ付けしていきます。やっつけ感が強い。

シガーソケットと並列用ケーブルを接続し、シガーソケットにAnkerのスマホ充電器とUSB電圧・電流チェッカーを接続します。電池ボックスにeneloopを10本セットしたらいよいよ通電確認していきます。

USB LEDランプ

バッテリーパックとUSB LEDランプを接続すると、Ankerの充電器が赤く光り、ライトが点灯しました。

最大3Wで2.3W出力しています。このランプかなり明るいです。

因みにモバイルバッテリーに繋いでもほぼ同じ結果になったので、USB LED使用では出力十分ですね。

スマートフォン

続いてスマホの充電を試します。Xperia XZ Premiumを充電ケーブルで接続すると充電が開始されました。こちらも出力は足りているようです。

充電できてますね。

電圧は5.23V 電流は0.81Aとなっています。87%充電されている状態では充電量を抑える仕様なのでこの位出ていれば十分です。スマホの充電ができることがわかりましたので次はいよいよノートパソコンの起動を確認していきます。

ノートパソコン

シガーソケットにインバーターを接続します。

ノートパソコンは大電流なのでバッテリーパックを5つ繋いで確認します。12Vケーブルを一つずつ通電確認しながら接続します。この並列ケーブルのプラグか電池ボックスのプラグのどちらかが接触が悪くて、通電確認に少し時間がかかりました。接続するのに力が要ります。電池ボックスも電池を取り付けるときには力が必要でした。端っこはマイナスドライバをはめ込んで梃子の原理で押さないと取れませんでした。

充電式電池って一次電池(マンガン電池、アルカリ電池等)と比べて少し大きいのでいろんな機器にはまらないことがあるのですが、このケースも例外ではなかったです。商品説明に書いてあるといいのになぁ。

12Vプラグの通電確認が終わったら、ACアダプタをインバーターとノートパソコンに繋ぎます。

電池は一部別の機器に使用しているので、enevoltという怪しい充電池を使っています。

起動するパソコンのスペックは以下の通りです。

2012年秋冬モデルですが、CPUにi7-3630QM 2.40 GHz 4コア 8スレッドで動作し、メモリ8GBを搭載する今でも十分使えるハイスペックマシンとなっています。ハイスペックが故に、消費電力も45Wと大きいです。上手く起動できるでしょうか。

インバーターのスイッチが入ったことを確認し電圧を測ります。

91.3Vです。100Vに満たないですが果たして…

起動の前にバッテリーは抜いておきます。

いよいよ電源ONします。100Vのノートパソコンが起動できるのでしょうか。

いざ電源オン!

電源を押すと、dynabookのロゴが表示され、Windows10が立ち上がりました!。インバーターは電力が足らないとピーピー警告音を出した後落ちるのですが、そんなこともなく起動しました。かなり余裕があるようです。これは行けるかもしれない。

デスクトップ画面も普通に表示されました。

余裕があるようなのでAbemaTVを再生してみます。

10分位で落ちるかと思ったんですが、意外とインバーターの警告音も鳴らずに時間が経っていきました。

30分、1時間と過ぎていき、2時間経ってもまだ警告音が鳴りません。意外と持ち堪えるんですね。

ケーブル等を触ってみたところ、ACアダプタが少し温い位で、電池やケーブル、インバーターは冷く、発熱は無かったです。ここまで持つとは思って無かったので驚きです。

結果

暫く使い続けていると、3時間30分を超えたところでインバーターの警告音が時々鳴り始め、35分を超えた辺りで鳴り止まなくなったので、ここで終了しました。

結果は3時間36分。ノートパソコン搭載バッテリーでは4.1時間駆動(公式)なので概ね近い数値が出てます。

この位使えれば十分です。

結果として「乾電池でも100V家電は使える」ということが解りました!

停電時はこれが役立ちそうです。

また、ここで使ったeneloopは10年後も70%の容量を維持するので、非常用の電池としても役立ちそうです。