疎かにしてはいけないもの

怖い話・衝撃体験寄稿,短編


私の従兄弟は三人兄弟です。

一人暮らしの伯母が亡くなり、墓や仏壇をどうするかということで散々揉めました。

順番から言えば、長兄が面倒を見るのが妥当かもしれませんが、離れた土地で暮らしており、転勤が多いということから拒否し、次男は持病を抱えていることから拒否。

結局のところ、三男が多めの財産の分配を受けることで引き受けることに落ち着きました。

ところが、三男は墓参りは愚か、仏壇も持って行っただけで何もしませんでした。

一度、仏壇にお参りさせてもらおうと伺いましたが、仏壇は閉じられたままで花もお供えもありません。

持参した花も邪魔になるから持って帰って欲しいと言われる始末で、墓は草が生え放題でした。

伯母も報われないだろうと思っていたら、三男の家で異変が起こり始めます。

三男の嫁が原因不明の体調不良になり、息子は大学受験に失敗。

三男自身も勤めていた会社の経営が傾き、収入が減りました。

私は、伯母が怒っているに違いないと思いました。

この件以来、霊の存在や怨念を信じざるを得なくなったのは言うまでもありません。