老舗旅館で起きた異変

怖い話・衝撃体験寄稿,短編


これは学生時代に行った温泉旅館での出来事です。

そこは老舗旅館として有名なところで、学生にとって敷居の高い贅沢な旅館でもありました。

案内された部屋に入ると、若干ひんやりした空気を感じたものの、私自身はあまり気にもしていませんでした。

ですが、一緒に行った友人は、自称霊感がある子で、終始震えを感じていました。

よく飾ってある絵の裏にお札があるとか言いますよね。

念のため額に入った絵の裏や、お札を隠して貼れそうな場所を点検しましたが、見当たりません。

気のせいだと友人をなだめてそのまま就寝したのですが、尋常じゃない寝がえりを打つ友人のおかげで熟睡出来ずに目覚めた翌朝。

友人が寝ていたベッドのスプリングがズレたそのすき間に、白い和紙のような紙がちらっと見えました。

嫌な予感を感じながら、ベッドの敷パッドをずらすと、ベッドの木枠一面にお札がびっしりと!その瞬間、二人して真っ青になりました。

旅館に聞いても詳細は教えてもらえず、申し訳ないの一点張り。

案内されるまま念のためお祓いに行きました。