私を呼ぶ声

怖い話・衝撃体験寄稿,短編

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中学2年生のある朝、私が友人と登校していると、車道を挟んで反対側の歩道を三人の女子高校生が歩いているのに気が付きました。

二人が横に並んで歩き、後ろから付いていく一人は何だか影が薄いなと違和感を覚え、目で追っていました。

すれ違い、振り返って見てみると、後ろを歩いていたはずの一人が見当たりません。

驚いて、友人にその事を話していると、スピーカーから聞こえるような、町全体に響き渡るような声が聞こえてきました。

最初は聞き取れなかったんですが、だんだん、「、、、早く来てぇ」と聞き取れるようになり、そのうちはっきりと「まりちゃーん早く来てぇー」と数回繰り返し聞こえたのです。

まりちゃんとは私の名前です。

友人は引きつった顔で後退りし、「キャー」と一目散に逃げていきました。

あの声が聞こえたのは私だけじゃないということは分かりましたが、一番怖い思いをしてるのは私だけどなぁと、一人取り残されて複雑な気持ちになりました。

「怖い話」と聞くと、この日の不可思議な体験と、友人が逃げていく後ろ姿を思い出します。